文法用語を味方につける
英文法には時々難しい用語が出てきます。
例えば、関係代名詞と関係副詞ですね。
こちらを改めて説明してください、と言われると、
困っちゃう人は少なくないと思います。
一体なにが関係「代名詞」で、どういう次第で関係「副詞」なのでしょう?
ちょっと気の利いた人なら、
「関係代名詞の時は不完全文だけれど、関係副詞の時は完全文だ」
と答えてくれるかもしれません。
より正確に言えば、関係代名詞節は不完全文で、関係副詞節は完全文ですね。
確かにその通りです。
ですが、なぜそのようなことになるのでしょうか。
それは、関係代名詞が代名詞の役割を果たし、
関係副詞が副詞の役割を果たすからです。
具体的に説明しましょう。
こちらは不完全文ですね。
I met John in a city [which is famous for its history].
which節には主語がありませんから、こちらは関係代名詞節だとわかる、
こういう理解です。
しかし、ちょっと待ってください。
whichには何の役割もないでしょうか?
ちがいますね?
これは主格の役割、つまりこのwhich節で主語の役割を果たしているわけです。
名詞は文の中で「主語」「補語」「目的語」になりますから、
このwhichは、which節の中で名詞の役割を果たしているとも言えます。
関係詞節中で名詞の役割を果たすから、関係代名詞と呼ばれるのです。
関係副詞も同じです。
I met John in a city [where Tom lived].
のような文を書いたとします。
これは二つの分に分解すると、
I met John in a city. Tom lived in the city.
となります。
whereがin the cityの役割を果たしているのは一目瞭然ですね。
in the cityは動詞のlivedを修飾していますので、副詞の役割を果たしています。
そういうわけで、whereもまた、関係詞節中で副詞の役割を果たしているので、
関係副詞という名前になっているのです。
専門用語の名前には背景があります。
なぜそのような名前がついているのかまで理解できると、
難しい内容を想起する際にとても役に立ちますよ。