なぜ難関中高一貫校の生徒は「できる」のか ― 大阪府立高校文理学科の学生へ ④
さて、今日も、
大阪府立高校文理学科の学生と保護者様が、
医学部や京大・阪大といった難関国公立大学を目指す際に
ぜひ知っておくべきことについてお話ししていきます。
ちょっと大阪府立高校文理学科関係の皆さまにとっては
厳しく見えてしまう表現もちらほら出てくるかもしれません。
ただ、状況について立体的に見ていくうえで大切なことですので、
心の準備をしてご覧いただければ幸いです。
①では、「いつから」といえば、「今から」ですとお話ししました。
②では、大阪府立高校文理学科の具体例として、
北野高校と大手前高校のデータを、
これまた難関中高一貫校の具体例として
洛南高校や大阪星光学院高校と比較しながら見てきました。
③では②のデータをさらにつっこんで、
東大・京大・阪大などの医学部の合格者数を比較しました。
もう一度、表を掲載しておきますね。

結論から言いますが、東大理IIIや京大医学部にみられる数字は、
そう簡単にひっくりかえせるものではないのですね。
それこそ、例えば北野に入って三年間一心不乱に勉強して、
どうこうなるかといわれると、
「難しい」
としか言いようのないものです。
できる人も中にはいるでしょう。
しかし、例えば洛南のように「京大医学部15人」などという数字が
北野から出てくることは、あったとしてもずいぶん先でしょう。
これはいったいなぜなのか。
北野高校には大阪中の秀才が集まっているのではないのでしょうか。
答えはいたってシンプルで、大阪府立高校文理学科の学生は、
学力に特化しているわけではないからです。
これは難関中高一貫私立校の生徒の足跡と比較すればすぐに理解できます。
関西の難関中高一貫私立といえば、
灘、甲陽、洛南、洛星、東大寺、西大和をはじめ、
数多くあります。
これらのトップ校に入学するために、
一般的に受験生は遅くとも小学校5年生には浜学園や馬渕、希学園といった
進学塾に通います。
そこでの授業や問題演習は、通常の公立小学校ではまず学ばない水準のもので、
平たく言うと別世界です。
よく中高一貫私立中学に入るには中1~中2の学力が必要と言われますが、
そのような言葉ではとても形容できません。
それだとまるで、公立中学校の中学二年生であれば
少なくともここで上げた上記六校の入試を突破できるかのように聞こえるからです。
これは昔から関西の私立について言われていることですが、
算数の入試問題のレベルが大変高く設定されています。
学年は違いますが、無理を承知で
この算数の入試問題の難易度について
大阪府公立高校入試C問題の数学と比べてみましょう。
よく、「大阪府公立高校入試C問題は難しい」と言われます
私見で申し上げますと、C問題は確かに難しいことには変わりありませんが、
発想力自体はそれほど要求されていないように思います。
また、傾向対策もやりやすい問題構成になっています。
中高一貫校の問題は発想力そのものを試すものが多く出されます。
このような高レベルな問題を、小学校5,6年のうちから塾で大量に解き、
厳しい受験戦争を勝ち抜いたのが難関中高一貫の生徒たちです。
中学1年生段階で、公立中学校の生徒たちとは比較することもおこがましいほどの
基礎学力差が生じているのです。
中高一貫校の生徒の中には6年間という時間の中で中だるみを起こし、
学力を低下させる方もいるのは確かです。
しかしその少なくない部分が、今度は中高一貫校の学生向けの進学塾、
例えば鉄緑会などに通い、大学受験に備えるのです。
長くなりましたので続きは明日以降になります。