先んずれば人を制す - 大阪府立高校文理学科の学生へ ⑦
昨日は文理学科の授業の進度が速く、
多くの生徒が消化不良に陥りがちであることについてお話ししました。
【現実を客観的に把握し、適切な行動を】
昨日もお話ししましたように、かなりの数の文理学科の学生が、
学校の授業内容を満足に消化しきれていないように見受けます。
文理学科の学生たちが才能に恵まれていないなら、
この結果には納得がいきます。
しかし彼らはむしろ、才能であれば十分に恵まれているほうなのです。
それは試験で証明されています。
それでは期待よりも低い結果しか手にできない理由は何なのか。
理由は個人ごとにいろいろあるかとおもいます。
ただ、一般論として言うならば、
それは一つには、自己の立ち位置を客観的に把握できていないこと、
もう一つには、正しい学習計画にのっとって受験準備を進めていないこと、
これらが挙げられるかと思います。
大阪府立高校文理学科の学生の皆さんは確かに優秀です。
しかし、皆さんが京大・阪大や医学部を目指そうとするなら、
ライバルは中高一貫校の学生たちです。
その学生たちと引き比べて、
皆さんは学力面で不利な立場にあります。
大学受験準備への気構えでも後れを取っている可能性があります。
これらの状況を踏まえないなら、
大学受験で厳しい結果にぶつかるとしても、
何ら不思議とするところはないでしょう。
高校1年になった皆さんは、晴れて高校生の勉強にとりかかることが
出来るようになりました。
遅ればせながら中高一貫校の生徒たちと同じ土俵に立てるようになったのです。
ところが、この時点で気を緩め、
勉強からいったん距離を置こうとする生徒が後を絶ちません。
気持ちはわかります。
ついこの間まで激しい受験勉強に全力を尽くしていたのですから。
でも医学部に行こうとするならば、
京大や阪大に行こうとするならば、
高校で部活や学校生活を楽しみつつ現役合格を目指すならば、
計画的に準備を進めていくことを強くお勧めします。
2025年から新課程の共通テストが始まります。
従来の5教科7科目から、情報Iを加えた6教科8科目へ移行します。
受験準備にかかる時間は増えこそすれ、減りはしません。
共通テスト準備が不十分であれば、
そもそも国公立大学進学そのものがあやぶまれるでしょう。
あなたの属している学校の成績は優秀かもしれません。
しかしそれはあなたの優秀さの証にはなりません。
2023年の数字ですが、北野高校から京都大学に現役合格した方は、
全卒業生の20%を切ります。
大手前高校はわずか3%です。
同じく2023年、北野高校から大阪大学に現役合格した方は
全卒業生の約10%です。
大手前高校は8%弱です。
これを見ればわかるように、
文理学科の生徒でも全員が全員、
現役で京大・阪大にいくわけではないのです。
ですが、あなたが厳しい現実を見据え、
しっかりした準備を怠りなく行えば、
すべては変わります。
学校は関係ありません。
大学合格の基準が動くこともありません。
あなたの学力が上がれば、
あなたが志望校へ合格する可能性はそれだけ高まるのです。
現状にあぐらをかかず、失望せず、
一つ一つ必要な行動を積み上げていくところから、
合格への道は拓けます。
皆さんの行動が結果に結びつくことを心より祈ります。